伊与原新さんの「八月の銀の雪」を読みました。
2021年の本屋大賞6位の作品です。
5本の短編がそれぞれ考えさせられるものになっていて、とても面白かったです。
あらすじ
不愛想で手際が悪い――。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた真の姿とは(「八月の銀の雪」)。会社を辞め、一人旅をしていた辰朗は、凧を揚げる初老の男に出会う。その父親が太平洋戦争に従軍した気象技術者だったことを知り……(「十万年の西風」)。科学の揺るぎない真実が、傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。
新潮社HPより
心に残ったところ
1つ目の話、8月の銀の雪は
誰もが抱える孤独や弱さ、それを隠そうとする心を地球を例えに、深く感じ取ることができました。
自分が住む地球の内側がどうなっているのか、深く考えたことがなかったですが、
地球の1番奥深くの内核に銀色の雪が降っていると想像するととても幻想的で神秘的だと思いました。
2つ目のクジラの話は、
新海深くを1人で泳ぐクジラを通じて、自然の偉大さや奥深さ、懐の深さを感じました。
人間だけが進化し発達していると言うのはおごりで、海の中ではクジラが広い海で深く深く潜り1人で自分の内面で進化しているのだとわかりました
3つ目の伝書鳩の話は、
100年前では伝書鳩が実際に使われていて、船の上や鉄道でいち早く情報を伝えるために活用されていたとしってとても驚きました。
また、鳩は帰巣本能が優れていて、どんなに遠くにいても自分の家へ帰ってくることができること
帰ってくるまでに2年や3年経つ鳩もいるけれども、それでも必死に自分の家を探して帰ってこようとする
街の移り変わりの中で、帰るところがなくなっても、けなげに家を探し続ける姿が心に響きました?
4つ目の形相のガラスの話は、
自然には人が想像できないような奥深い壮大な世界があることを知りました。
まとめ
どの話も、科学的な知見で自然の中の人間を考えさせられる本でした。
読んでいない方は是非読んでみてください。
価格:1,760円 |